Yes It Isにみるコーラスの絶妙 2009
9/30
水曜日

 今日は雨だね。静かに本を読んでいるけれど、片手間の休暇消化の暇つぶし。この一曲は、ザ・ビートルズのYes It is、彼らはロックバンドだったけれども、ダンスホールでお客を盛り上げるライブ・バンドであったし、また、コーラスをとっても重要視していたコーラス・バンドでもあった。ほとんどの曲にコーラスがあってウマイし、ハモるのも長けていた。今のバンドはメイン・ヴォーカルが歌うだけで、コーラスによるハーモニーの美しさを疎かにしているのじゃないのかしらん、と思うね。一般的にだよ。そう感じない?

 もうひとつ、彼らの強みは全員がヴォーカルを勤めることができるってことだろうね。メインはポールとジョンだけれど、合間にジョージがはにかみながら歌い、また、ユーモアたっぷりに愛嬌を振りまくるりンゴのおどけたヴォーカルもある。これって、すごいことだよね。で、初期のライブでは、一本のマイクを3人、もしくは2人で(当時のスタジオ技術でたくさんのマイクロフォンを使えない事情もあっただろうが)分け合って使う。左利きのポールと右利きのジョンやジョージとカップリングになると、ベースとギターが対となって、これまた絵になるのだよね。

 それにも増して、彼らにはロックを愛する情熱と、努力家でもあったし、4人がとても仲良しだったということだね。レコーディングに関しては、いつも4人が賛成しないとアイデアは没にされたんだってね。強固な掟みたいなもの。

 このイエス・イット・イズ、レコーディングは1965年2月16日、スタジオはお膝元のアビー・ロード、同年4月9日、「Ticket To Ride(涙の乗車券)」のシングルB面としてリリースされた。ジョン曰く、「THIS BOY(こいつ)」の流れを汲んでいるとのこと。”ジョン・ジョージ・ポールのヴォーカル&コーラスはオーヴァーダブなしの一発録音、3声コーラスだ。ジョンのサビの部分は十八番のダブルトラックでオーバーダブしているけれどね。(アンソロジーではコーラスをフューチャーしたバージョンが聴ける)

 また、詩がいいね。赤いドレスは昔、恋人が着ていた真紅のドレスの色だから、その赤が僕をブルーにさせる、だから、今夜だけは赤いドレスは着ないで欲しい、まだ彼女を忘れることができない男のプライド、でも、君がそばにいてくれたなら、きっと僕は幸せになれるだろう・・・ってね。ニクイほど泣かせるよね。

 さあ、どうぞ、聞いてみて下さいね。哀愁漂うジョンの声とハーモニーの美しさに聞き惚れちゃうから。今回もデジタル・リマスター、モノーラルから。じゃ。(2009/09/30 11:12)


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