NHKドラマスペシャル「白洲次郎」 2009
9/24
木曜日

 9月21日から三夜連続でNHKのドラマスペシャル「白洲次郎」をみた。伝説の白洲次郎生涯の初ドラマ化だってね。NHK総合テレビなんて久々に見たのだけれど、彼が戦時中に疎開した「武相荘(ぶあいそう)」にこの春、訪れたけれど(※参照ブログ)、ロケでも十分に使われていて、全体として、グレードの高いドラマだし、NHKも捨てたもんじゃないなぁ、と見直した次第。

 そして、きちんと、綺麗に撮影されていると感心したね。第一話ではライティング(照明)を薄暗く当てていて、光と影がとてもシックで映画っぽくて、工夫と苦心の跡が見て取れたね。これはTVがハイビジョンとなって、映画並みのコントラスト(輝度差)が得られるようになったからだろうね、一昔前じゃ無理だったろうね。昔、専門学校時代に映像工学で学んだ際、TVの輝度差(明るい部分と暗い部分の差)は1:20、映画は1:100と記憶しているから、TV文化の技術革新のおかげなんでしょうね。

 更に、ロケもいいね、よく練られている。日本の家屋、田園風景、それらがとても美しい。日本人はもっと日本の文化を大事にして、誇りをもっていいと思うね。西洋かぶれし過ぎ。だから日本の住宅は和洋折衷で無茶苦茶思想がないよな。

 この前(2009.7.1)も戦後GHQ(連合国最高司令官総司令部)が接収していた大手町の「第一生命館」(※現「DNタワー21(第一・農中ビル)」の前を通ったけれど、このビルの内側で熾烈な戦い、占領国の苦しみが聞こえてきそうで、幾多の葛藤があったのか、と考えると身震いしたな。

 その第一生命館では、現在でもマッカーサー総司令官室が保存され、一般に公開されているらしいから、今度、見に行こう。9・11テロ以来、「マッカーサー記念室」は公開していないのかもしれない。よくわからん。

 ストーリーとしては、ひとつひとつの話が短くて、恐らく本を読んでいないと、話の前後とか、何故、そうなっているのかが判り難いのでは?と思った。それとマッカーサー元帥が日本を占領した背景と、どのような行動をしたのか、米国からどうみられていたのか、天皇との関係をどう保ったのか、吉田茂との信頼関係はどのようなものであったのか、バックグラウンドを理解していると、よりストーリーに没頭できるんじゃないかな。

 白洲次郎を演じた”伊勢谷友介”さん、カッコいいですね。日本にもこのような俳優がいるのだね、1976年生まれの33歳か?少し線が細い感じも受けるけれど悪くないですね。男からみても、「いい男」だ。彼のファンになった。

 DVDも11月に販売されるそうだから、レンタルになったら、もう一度見ようと思う。

■参考ブログ
2009.04.22 白洲次郎『プリンシプルのない日本』を読んで。
2009.04.01 白洲次郎『占領を背負った男』を読んで。
2009.03.29 白洲邸 『武相荘』
2009.03.28 白洲次郎氏とは?
2009.03.13 -マッカーサーと吉田茂(最終回)-
2009.03.11 -マッカーサーと吉田茂(その3)-
2009.03.05 -マッカーサーと吉田茂(その2)-
2009.03.01 -マッカーサーと吉田茂(その1)-


じゃ。(2009/09/24 20:03)

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