久しぶりにスティーヴン・キングの短篇を一気に読んだ。読まずにはいられなかった、止められなかったといったほうが正しい。
本書の『夕暮れをすぎて-Just After Sunset(2008)』は原書を二分冊にした一冊目で、原書には一三篇の中短篇が収録されている。
作品はここ最近の中短篇からピックアップされていて、相変わらず情景が脳の中で鮮明に仔細省くことなく組み立てられ、再現される。克明な状況説明、譬喩、擬人化、具体的な商品名はいつに及ばず、何といってもストーリーの発想のユニークさだろう。今回はホラー色はなく、ミステリー色だけれど、在り来たりな、言い古された表現だけれど、彼の作品は毎回、裏切られることなく”唸らされてしまう”のだよね。
後半の六篇を収録した二分冊目は新春早々に刊行される予定らしい。
早く出さないとぶっ殺すぞ、このヤローって気分かな。この高揚感、血が沸き立つような気分をまた味わいたい。憤懣やるかたない余韻を残すね。S・キングは僕の中ではキングだ。間違いない。(2009/09/23
17:36)
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文庫: 344ページ
出版社: 文藝春秋
発売日: 2009/9/4 |
内容(「BOOK」データベースより)
愛娘を亡くした痛手を癒すべく島に移り住んだ女性を見舞った想像も絶する危機とは?平凡な女性の勇気と再生を圧倒的な緊迫感で描き出す「ジンジャーブレッド・ガール」、静かな鎮魂の祈りが胸を打つ「彼らが残したもの」など、切ない悲しみから不思議の物語まで、天才作家キングの多彩な手腕を大いに見せつける傑作短篇集。 |
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