城山三郎著、『指揮官たちの特攻』を読んで。 2009
8/11
火曜日

 今朝、20ページばかし読み残していた城山三郎著の『指揮官たちの特攻』を読み終えた。 関大尉と、中津留大尉の二人に焦点を充てられていて、興味深かった。 予科練と称して、敗戦色濃い日本では、昭和18年、全国の少年を募ったというより、お国のために身を捧げる報国的精神感情に合致し、両親の想いとは裏腹に多数(一万有余)の若者が集まった。

 しかしだよね、飛行機に乗れたのはほんの一部。 実際には特攻兵器として彼らを待ち受けていたのはこのような、ばかげた兵器だったのだ。 こんなことが事実としてあったということを、きちんと記憶しておくべきだろう。(2009/08/11 7:07)

  • 人間爆弾「桜花(おうか)」・・・(一一型:一式陸攻搭載、二二型:銀河搭載、四三乙型:丘などの高地からカタパルトで撃ち出す)
  • 「梅花」・・・木製で松根油を燃料にした桜花に似ている、試作
  • 人間魚雷「回天」
  • 「震洋」・・・・ベニヤで作ったモーターボートの先に爆装
  • 「蛟龍(こうりゅう)」・・・特殊潜行艇の流れを汲み、さらに大型化した乗員5人
  • 「海龍」・・・頭部に600キロ爆弾を詰め、水中翼を持つ二人乗り潜水艦
  • 「伏龍(ふくりゅう)」・・・機雷を棒の先に付けて持ち、潜水服を着て、海底に縦横50メートル間隔で配置、敵艦船が着たら、その棒を敵艦の艦底に突き上げて爆発させる。


文庫: 232ページ
出版社: 新潮社 (2004/07)
内容(「BOOK」データベースより)
神風特別攻撃隊第一号に選ばれ、レイテ沖に散った関行男大尉。敗戦を知らされないまま、玉音放送後に「最後」の特攻隊員として沖縄へ飛び立った中津留達雄大尉。すでに結婚をして家庭の幸せもつかんでいた青年指揮官たちは、その時をいかにして迎えたのか。海軍兵学校の同期生であった二人の人生を対比させながら、戦争と人間を描いた哀切のドキュメントノベル。城山文学の集大成。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
城山 三郎
1927(昭和2)年、名古屋生れ。海軍特別幹部練習生として終戦を迎えた。一橋大卒業後、愛知学芸大に奉職、景気論等を担当。’57年、『輸出』により文学界新人賞、翌年『総会屋錦城』で直木賞を受け、経済小説の開拓者となる。吉川英治文学賞、毎日出版文化賞受賞の『落日燃ゆ』や『毎日が日曜日』『もう、きみには頼まない』等、多彩な作品群は幅広い読者を持つ。2002(平成14)年、経済小説の分野を確立した業績で朝日賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)
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