★★★『鷲は舞い降りた』がおもしろい。 2009
7/11
土曜日

 『鷲は舞い降りた[完全版]/ジャック・ビギンズ著(ハヤカワ文庫)(1997/04)』574ページを読み終えた。ちょっとスローペースで読んでしまったけれど、久々に、唸ったね。文末に解説者が書いている。「ポピュラリティのあるエンターテインメント・・・、音楽でいうところの「スタンダード・ナンバー」・・・・、世の中の一般書評でも、「戦後冒険小説の最高傑作、ベストワン」と推す人が多い。

 まさにそのとおり。これはね、読まないと絶対わかりませんね。要約できないもの、フィクションといいがたい限りなくノンフィクション、ある意味、事実を忠実に捉えて推考されたのじゃないかと思うのだよね。有意義な時間を共有できることは疑いはない。

 文中、525ページ。この部分を公園のベンチで、蚊に刺されながら読んでいて、涙と鼻水で顔がぐしゃぐしゃになってしまった。
 リッターは、垣によりかかって直立しようとした。「中佐殿の意志に従います」堅苦しい口調でいった。
「けっこう」シュタイナがいった。「それでは、出発してくれ、ミスタ・デブリン、幸運を祈る」
 彼が車のドアを開けると、リッターが低い声でいった、「中佐殿」
「なんだ?」
「あなたの部下であったことは、無情の光栄です」
「ありがとう、中尉」
シュタイナがモーリスに乗り込んでブレーキを外し、車が坂道を下りはじめた。


内容(「BOOK」データベースより)
鷲は舞い降りた!ヒトラーの密命を帯びて、イギリスの東部、ノーフォークの一寒村に降り立ったドイツ落下傘部隊の精鋭たち。歴戦の勇士シュタイナ中佐率いる部隊員たちの使命とは、ここで週末を過ごす予定のチャーチル首相の誘拐だった!イギリス兵になりすました部隊員たちは着々と計画を進行させていく…使命達成に命を賭ける男たちを描く傑作冒険小説―その初版時に削除されていたエピソードを補完した決定版。 

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