兄弟の思い出(その2) 2009
4/25
土曜日

 これは、僕が多分、4つ、幼稚園で姉が小一、兄が小四くらいだろう。母の実家(僕の家から700メートル)の離れへ上がる途中のスロープで撮ってもらったのだと思う。これも全く記憶にない。兄は髪の毛を引っ張られるとかで、あっさり丸坊主にしている。

 家にカメラは無かったから、(去年暮れに久々に会いに行った)母の妹のまるちゃん(実名:丸子)が撮ってくれたのかもしれない。当時まだ高校生だったはず。まるちゃんは4人姉妹の末っ子で、別格的に美人だ。なぜ、母と丸ちゃんは、姉妹なのに、あれほど顔の造作が違うのだろうと、今でも不思議に思う。鼻の高さひとつとってみても、母が裏山の標高100メートルとすれば、まるちゃんの鼻の高さは富士山級ほどの違いがある。

 兄弟の話にしよう。 僕は結構色白なほうだけれど、兄は更に数段階、漂白して透明度を高めたくらいに白い。しかしながら、姉は地黒で、見た目は、お転婆娘、優良健康児、いつも太陽の真下で遊んでます、みたいに真っ黒なのだね。(今思えば姉はいうほどに黒くはなくて、兄の横に並べば、どんな人だって黒く映ったろうに違いない。)

 子供を褒めることしか知らない母が、時折、ポツリとこぼすことがあった。

 「均(兄)と京子(姉)の色が逆やったら、なんぼかよかったのに、なんで京子はこんな黒いんかのぅ・・・」

 姉に責任はない。フグのようにほっぺを膨らませた姉と、申し訳なさそうに兄が姉を見ていた。

 すると、大概、祖母が、「京子っちゃ、ほんまに黒いのぅ。ほんでも、カ○ワ(今は身体障害者っていうのが一般)より、よっぽどええわ、そんなことゆうたら京子がかわいそうやの、のぅ、きょうこ・・」

 姉は半泣き、半狂乱寸前であった。姉はこのことだけは、脳裏に深くコンプレックスとして擦り込まれ、トラウマとなったに違いない。

 ところで、この写真でも兄が僕の腕をそっと持っているでしょ、でないと僕はどこに行ってしまうか、分からないほど、ガサガサ動く子供だったから、兄は無意識にしているのだろうね。(21:51)

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