最終回 森づくりプランナー講座
「J-VER申請書を書いてみよう」
三菱総合研究所 科学・安全政策研究本部 講師:U.A氏
2009
3/26
木曜日

 いよいよ今日で最終回、みなと区民エコプラザ主催の森づくりプランナ-、今日のテーマは、『J-VER申請書を書いてみよう』だ。

 昨日のブログでも内容が超淡泊なスカスカ課題を作っていったけれど、僕は基本的な部分を理解していなかったようだ。皆さんも僕の疑問と同じでしたよね?(ぴっ、ぴーー~、君、自分の無知を人様に同意を求めるのじゃないぞ)

 それで、今日の講師は、三菱総合研究所/科学・安全政策研究本部のU.Aさん、女性の方ですけれど、シャープでこの業界では日本でも指折りの方らしい。森林生態学から、生物多様性まで熟知しているのだろう。

 で、僕は基本的な質問をしまくったんだね、別に「プロジェクト申請書」を書く時間を誤魔化そうってことでもなくて、カーボンクレジットが、実際、どのように市場で流通性をもっていて、どのようなカタチで取引を行うことができるのか、ってこと。貨幣みたいな流通機構で、誰にでも等しく価値が判る、ひとつのデファクトな基準までになっていないから。

 そういった意味じゃ、今回の参加された皆さんは、時代の先取り、地球温暖化に旬の話題に触れている、ってことでしょうね。

 ”オフセットする”、って概念が皆さん判らないでしょ。貸しを作ったものは自力で返せないのなら、それを代わってオフセット(相殺?)するってイメージですね。

 オフセット・クレジット(J-VER)は、市場で流通可能な「温室効果ガス排出削減・吸収量」がクレジットと呼ばれる商品として捉えられ、市場で流通するものなのですね。(って釈然としないでしょ)

 ISO014064-2、ISO14064-3、ISO14065に準拠した国際標準の枠組みで、国際的な考え方とも整合を採っている。

 またね、モニタリングと呼ばれるプロジェクトによる温室効果ガスの排出削減・吸収量を算定するために必要なエネルギー使用量等の計測を行うのだけれど、これが数学のΣが出てくるし、ユニークで、頭の体操にはとてもいいかもしれないですよね。

◆制度の詳細
オフセット・クレジット(J-VER)制度について
更新日 資料名
2009/03/10 オフセット・クレジット(J-VER)制度実施規則
2009/03/10 オフセット・クレジット(J-VER)制度実施規則 別紙
2008/12/19 オフセット・クレジット(J-VER)認証運営委員会に関する規程
ポジティブリスト・方法論について
2009/03/10 オフセット・クレジット(J-VER)制度におけるポジティブリスト
2009/03/10 オフセット・クレジット(J-VER)制度における方法論
モニタリング方法ガイドラインについて
2008/11/14 モニタリング方法ガイドライン(排出削減プロジェクト用)
2009/03/10 モニタリング方法ガイドライン(森林管理プロジェクト用)
検証ガイドラインについて
2008/11/14 オフセット・クレジット(J-VER)制度モニタリング報告書の検証のためのガイドライン
2009/03/10 検証報告書様式

から必要な書類をみて理解しましょう。
-参考サイトは、「気象変動対策認証センタ」(NEW PAGE)-

 あと、法的規制類で注意しておくこと。
 ・森林・林業基本法
 ・森林法
 ・森林の間伐等の実施に関する特別措置法
   (間伐促進法)
 ・種の保存法
 ・鳥獣保存法
 ・騒音規制法

 じゃ。

 そもそも、今回ポジティブリストNo.0003として区分:吸収源、プロジェクト:植林活動によるCO2吸収量の増大として、この3月10日に改訂されたばかりだしね。

<ポジティブリストNo.0003>

0003. 植林活動によるCO2吸収量の増大
プロジェクト概要 植林を実施することにより、対象となる森林においてCO2吸収量が増大するプロジェクトであり、以下の適格性基準1~3を全て満たすもの。
適格性基準 条件1: プロジェクト実施地が2008年3月31日時点で森林法第5条又は第7条の2に定める森林(森林計画対象森林)でなく、かつ以下の森林の定義を満たしていないこと。
表1 我が国の森林の定義
定義 閾値
最小森林面積 0.3ha
最小樹冠被覆率 30%
最低樹高 5m
最小の森林幅 20m
条件2: プロジェクト実施地において行われる施業が、植林であること。
条件3: プロジェクトにより、プロジェクト実施地が森林計画対象森林に含まれるよう必要な措置がとられていること、又は当該プロジェクトにより既に森林計画対象森林とされていること。

<適格性基準の説明>

条件1: 対象森林

<2008年3月31日において京都議定書に定める森林でない>
植林については、単位面積あたりの炭素ストックの小さい土地において実施されることで(たとえば、農地や宅地から森林への土地利用変化)、CO2吸収量が増加する。このため、植林前の土地利用状況は重要となる。元々は森林として利用されていた土地が、農地に転用された後に森林へ再転用されるなどのケースも想定されるため、ここでは植林前の土地利用状況として、2008年3月31日において森林でなかった土地を対象とした。 なお、この条件を満たしていることを証明する代表的な方法としては、以下の方法がある。
 O 対象地の過去の土地利用状況が確認できる空中写真又は確認可能な衛星イメージ
 O 地図等の過去の土地利用状況が証明できる土地被覆情報
 O 地上調査結果(土地利用・土地被覆に関する情報、土地台帳・所有者登録・その他の地域登記簿からの情報等)

<2008年3月31日に森林法第5条又は第7条の2に定める森林でない>
ポジティブリストNo.0002-1「森林経営活動によるCO2吸収量の増大(間伐促進型プロジェクト)」及びNo.0002-2「森林経営活動によるCO2吸収量の増大(持続可能な森林経営促進型プロジェクト)」の対象森林との重複を避けるため、2008年3月31日時点で森林法第5条又は第7条の2に定める森林でないことを条件とした。

条件2: 対象となる施業
<植林を対象>
地域森林計画や市町村森林整備計画等に含まれる樹種の植林を対象とする。

条件3: 持続可能な森林経営
<森林法第5条及び第7条の2に定める森林に含まれるための措置>
植林によるCO2吸収量の増加は、植林後に森林が持続的に管理されることで達成される。したがって、植林対象地が持続的な森林経営下にあることを証明するため、森林計画の対象に含まれることを条件とした。

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