-マッカーサーと吉田茂(その1)- 2009
3/1
日曜日

  朝から小雨、曇天、こんな日は読書するにはもってこい。天気がいいとウキウキしてどこかへ行きたくなるでしょ。ヘッドラインのストック本、僕の零戦ページで今まで読んだ本で戦闘機乗りの武勇伝とか、軍機などの開発物語は数多く読んだと思うけれど、戦後の占領された時期にマッカーサー元帥が日本に進駐して行った役割、対する吉田茂が実施したことをきちんと抑えておきたい、とずっと思っていた。

 著者のリチャード・B・フィンが書きたかったことは、『アメリカ人は一般に占領というとマッカーサー元帥が単独で日本を改革し経済を再建したと思っているので、日本人自身の貢献を見逃す人も多い。また、その頃の日本で何が起きていたかが誤解している人も多い』と国務省の駆け出し外交官として、日本占領時代、都合5年間日本に滞在した経験も活かし、多くの人々へインタビューと文献を元に書き上げている。

 本書の原題は「平和の勝者」、戦争であれば勝者があれば敗者もあるが平和においてはみんなが勝者であるという意味だ。戦後に得られた平和では日本人もアメリカ人もみんなが勝者だった。吉田首相は、”戦後に日本は戦争には敗れたが外交には勝利した”と名セリフを残している。

マッカーサーと吉田茂〈上〉
(角川文庫)
リチャード・B. フィン
(文庫 - 1995/5) 298ページ
マッカーサーと吉田茂〈下)
(角川文庫)
リチャード・B. フィン
(文庫 - 1995/5) 286ページ

 日本政府はがポツダム宣言と降伏条項を忠実に実施していくのだけれど、アメリカ政府はこう言っている。「日本国民を破滅させたり奴隷化する考えはなく」、「困難な時代に何とかして日本を手助けしようとする道を探っている」と。事実、布告は撤回され、アメリカ軍の占領中、常に指令は日本政府に対して発せられ、日本政府がそれを実施するというスタイルがとられた。

 戦後の占領時代(80ヶ月間)に日本人は、「降伏」と言わずに「終戦」、「占領軍」と言わずに「進駐軍」と称したのだった。日本人の気概もあるのだろうね。まだ、読み始めたばかり。これは何度かに分けて書こうと思う。

 じゃ。

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