ザ・ビートルズのオリジナル通算10枚目で初めての2枚組アルバムである。ジャケットもシンプルな『白』一色。一般的に「ホワイト・アルバム」と呼ばれることがほとんどだ。25年以上昔だが海賊盤にホワイトアルバムのアウトテイク集として「ブラック・アルバム」という『黒』一色のレコードがあったことが懐かしい。(購入はしていないが)
イギリス発売は、1968年11月22日、日本発売は1969年1月21日、初CD化は1987年8月24日。
このアルバムからは4人の結束が崩れ、ソロ的で散漫な印象を受ける人もいるかもしれない。(前作、イエローサブマリン収録曲、ヘイブルドッグ迄がメンバー間の関係が良好だったバランサーだったジェフ・エメリックが著書の中で口述している)
メンバの間で口論が勃発したり、それを避けるため、それぞれがスタジオに籠もり、自身のオリジナル曲を創作するシーンが増えてくる。
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もう一つ、ビートルズ仲違いをし始める要因がオノ・ヨーコの存在。無理矢理にシンシア・レノン(当時、ジョンと婚姻関係だった)からジョンを奪ったオノ・ヨーコのことは一般的に知られていないことだ。
アビーロードスタジオにジョン・レノンと共に常に行動するようになった。他のメンバとは決して心を打ち解けることもなく、メンバは苛立ちや嫌悪感まで感じていたのだろう。
それまでの彼らは何が何でもレコーディングは4人みんなが参加し、アイデアは”全員一致の原則”としていたにも係わらず、オノ・ヨーコの存在で、その絆が崩れてきたのだった。従来は聖域なレコーディングスタジオに家族さえがメンバ間の暗黙の了解であったにも係わらず・・・
不協和音は徐々に崩壊していった。
さて、このアルバムは聞き込むほどに強烈な個性とシンプルなアレンジに気づきを与え、深く陶酔することとができる。アルバムをベスト1に挙げる人も多い。
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詳細な状況や経緯、レコーディング上の工夫したポイントなどは、アビーロードスタジオのバランサー(テクニカルなエンジニア)であったジェフ・エメリックが、客観的な視点で彼の著書『ザ・ビートルズ・サウンド
最後の真実』で知ることができる。
スタジオワークが中心でライブ活動も終止符をうっていたために映像が乏しい。
以下の17曲はディスク1に収録されている。
#7はエリック・クラプトンもギターで参加しているジョージ・ハリスンの名曲”While My Guitar Gently Weeps”。
#8のジョン・レノン作の”Happiness Is A Warm Gun”は個人的にも一押しだ。
#16”I Will”メロディーはポール・マッカートニーそのものだろう。
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