2008年6月29日(日)

♪ THE BEATLES / REVOLVER (リボルバー)♪

1962年10月の公式デビューから、アルバム「リボルバー」までのビートルズの前期=いわゆる”赤盤”時代の締めくくりアルバムを紹介する。

イギリスでは1966/08/05、日本は1966/10/05、CD初発売は1987/04/30。
折しもビートルズが来日したのが1966年6月30日、このとき日本武道館で「ラバーソール」から2曲演奏しているが、既にリボルバーのレコーディングは終えていた。

ライブ活動に飽き飽きとなっていたメンバー。演奏は歓声で聞こえる術もなく、自分すら音を聞くことができなかったという。彼らは創作活動としてレコーディングに傾倒していくことになる。そして、このアルバムでは実験的・試行的な試みが開始された。

単行本560ページ
白夜書房(2006/12/2)

レコーディングについて興味のある方は、、『ザ・ビートルズ・サウンド 最後の真実』(左写真)をお勧めしたい。ジョージ・マーティンと共に、ビートルズのレコーディング現場にいた唯一人のレコーディング・エンジニア「ジェフ・エメリック
(※注1)」が語る、未公開エピソードが満載されたビートルズ・サウンド・メイキングのすべてが語られている。涎モノ、メカラウロコ本だ。

本著書には深い共感を呼ぶ、どこまでも魅惑的な書きっぷりである。音楽的な見識、暴露的な逸話、そして歴史的、技術的ディテールの美味なるミックス。ひとつの重要な時代を正確かつエレガントに再現し、読む者の心を奥底から揺さぶる回想録だ。
(※注1)ジェフ・エメリック:ピーター・アッシャー(ジェイムズ・テイラー、リンダ・ロンシュタットのプロデューサーで、元アップル・レコーズのA&Rディレクター)

長年、ビートルズのレコードを研究してきたぼくのような男にとって、この本はまさに夢が現実になったようなものだ。だって彼はその場にいたんだぜ!』
(引用)ポール・シャッファー(「レイト・ショウ・ウィズ・デイヴィッド・レターマン」の音楽監督)


ジョージ・ハリスンは、#1、#4、#12でソングライティングを発揮している。全曲、オリジナルソングである。ジョージがアルバムの1曲目にTAXMNが入るのは初めてのことだ。

個人的には、#9の♪AND YOUR BIRD CAN SING♪は絶品であり、ポールの縦横無尽に暴れまくるベース・ランとジョンのヴォーカル、ポールとのはもり、心躍るビート・ナンバーに仕上がっている。

ポールのコンポーザー、メロディーメーカーとしての才能が益々冴え渡ってきた。ポールは#2の「エリナー・リグビー」、#5の「ヒア・ゼア・アンド・エヴリウェア」、#8の「グッド・デイ・サンシャイン」、#10の「フォー・ノー・ワン」、#13の「ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ」、すべてイメージもアレンジも趣も違うバリエーションは才能と努力の結晶だ。

#13の「ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ」は、1979年12月29日、ハーマースミスオデオン劇場の「カンボジア難民救済コンサート」、ウィングスのメンバーといっしょに演奏されている。

個人的感想はポールが自由奔放に才能を開花し、ジョンも気圧される感ががあるが、#7、#14は独自のムードを開拓している。#11の♪DOCTOR ROBERT♪も外せない。ジョンのリズム・ギターが心地よい。

ジョンとポールはライバルであり、初期の頃のように、いっしょに向かい曲を作ことはなくなりつつあり相互に出来た曲を聴かせてはアドバイスを受けるスタイルに変わってきたのだった。


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