※YouTubeの動画はアカウント削除、ユーザ削除、著作権侵害等の理由により存在しない動画が多いため削除しました。(2011/10/19) 2008年6月22日(日)

♪ THE BEATLES / BEATLES FOR SALE (ビートルズ・フォー・セール)♪

ビートルズオリジナルアルバム、4枚目、「ビートルズ・フォー・セール」、1964年、クリスマスを控えたEMIは稼ぎ頭のザ・ビートルズにアルバムのリリースを、クリスマス商戦に間に合わせるように計画した。
短期間でレコーディングしたアルバムの割には、オリジナル8曲、カヴァー6曲の構成となっている。
イギリスでは1964/12/04にリリースされ、クリスマス商戦に何とか間に合わせた。EMI幹部・首脳陣は笑顔でホクホクだったことは容易に察せられる。
日本発売は1965/03/15となっている。
レコーディングに関しては前アルバムのハード・デイズ・ナイトから4トラックレコーディングになることでレコーディングやオーバーダブの幅が広がったといえよう。(テープデッキはスチューダー製)

この当時のアルバムはデビュー・アルバムから通算8枚目の俗称ホワイト・アルバムまではモノラールで聴くのが一番バランスがいいといわれている。エンジニアもバランサーもステレオはオマケのオマケの程度にしか考えていなかった。モノラルで聴くことをお勧めしたい。

国内発売となった1987年版のCDもモノラル、多分ステレオ化するのをジョージ・マーティンは何かしらの理由で躊躇った。デジタル・リマスターが発売されるまでは。

アルバム毎に音の特徴がある。フォー・セールを捕らえると色は黄色がかったベージュのオーラを放っている。アルバムジャケットの印象も手伝ってはいるだろう。メロウでロマンティックな要素もある。
オリジナル・アルバムの中では一般的に地味な扱いに甘んじてはいるが、彼ら贔屓を排除しても、それはデタラメと認めざるをえないだろう。

#1の「ノー・リプライ」さびの部分がいい。
#6の「ミスター・ムーンライト」も出だしのジョンのシャウトには唸らされる。
#8の「エイト・デイズ・ア・ウィーク」、五月みどりの「一週間に十日来い」(1662年)のビートルズ版と解釈した。詩が同じようなニュアンスであって、メロディが同じということではない。

アンソロジーのアルバムでは、ビートルズはテイク1から最終テイクまで繰り返す中で、アレンジが段々と成長し、印象がガラリと変わることがわかる。
特に、エイト・デイズ・ア・ウィークは、最初は綺麗なアカペラ風で曲が始まるが、最終テイクは惜しげもなく斬って捨てている。なんてもったいないことではないか、とアンソロジーのCDを聴くたびに感じる。

創意工夫のエネルギーが、少しでも良くしたい貪欲な欲望がメンバーのアイデアをどんどん取り込む。
そしてプロデュサーであるジョージ・マーティンが具現化していく。最強のコンビネーションが既に機能していた。
アイデアを含めた決定権はジョン・ポール・ジョージ・リンゴ全員の合意を原則としていた。事実、このバンドは鋼鉄の絆、お互いとても愛し合い、尊敬しあい、仲がすこぶるよかったとメンバーは証言している。
ジョンとポールはいい意味でお互いライバルだった、この当時は。


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