今日は、THE BEATLESのアルバム、イエロー・サブマリン、機嫌良くLet's go!! エンジン全開。
当時、アニメとして公開されたけれど、上段のオリジナルアルバムはオーケストラのアレンジ曲も入っているけれど、下側のアルバムは、デジタルリマスターされていて、数年前、オーディオ雑誌で立ち読みしたけれど、音響に興味津々の僕には、「すげえ、今ってこんな事までできるんだ・・」の世界ですよね。
靄のかかった五里霧中状態から、一気にぴっか〜〜ん日本晴れってくらい音質が違う。でも、ファンによっては当時は当時らしいマイルドなオリジナルの音がいいって方も多いのも事実。賛否両論あるだろうけれど、僕としては全部の公式アルバムは、もう一度この手法を使って、洗い替えするみたいなことをやってほしい。後生に、どんどん生まれるビートルズ・ファンのためにもそうすべきだね、って強く感じている。
具体的にはどう違うのか、聞かずして判るはず無し、なんだけどね、ヴォーカルもセンタ寄せだし、ベースの輪郭・粒なんか、ほんとすばらしいし、ダイナミックレンジがぐわ〜んと帯域も広がって現在のレコーディング技術と最新スタジオで録音したのとまったく変わらないくらい、多少の思い入れを差し引いてもそう言い切れる。絶対。
RUBBER SOUL/REVOLVER/SGT.....からピックアップされている曲と書き下ろされた曲が少しで、アルバムのオリジナリティって他のアルバムと比較して、印象が薄くなりがちだけれど、圧巻は、♪HEYBULLDOG♪だろうね。超カッコよくて100万ボルトの電圧をかけられた位痺れまくりますから。
この後、ホワイトアルバムって呼ばれる二枚組を作るのだけれど、1968年当時ね、亀裂が生じ始めてね、メンバ間に、単独プレーも多くなるし、セッションやると口論が絶えなくなる。まあ、破局の道を歩み始めますね。でもそれまでのジョン・ポール・ジョージ・リンゴの4人はほんとうに仲が良かった。こんなに結束が固くて、友情に溢れて、お互いを思いやることができるバンドってザラにいるものじゃないし、それにも増して才能もあったね。でも、実質はジョンがリーダ的に言われるけれど、本当にバンドを束ねてきたのはポールなんだと思うね。 |
このとても愛し合っていた4人が最後の結束力ある時期に録音された最後の曲が、このHey Bulldogなのです。バランサーのジェフ・エメリックも自伝書の中で書いている。
ジョンは子供時代に母親ジュリアの姉、おばさんにあたるミミに育てられたのだけれど、ほとんど愛情無く、厳しくされた。ジョンはビートルズで成功しても、絶えずミミに認めてもらえるような行動をするんだね。で、5歳でパパとママ、どちらに付いていきたいか選択を迫り(母親のジュリアに付いていくと言ったそうだ)、14歳で可愛がってくれたジョージ叔父さんが亡くなり、その3年後、近所にいた母親を交通事故で亡くした。時折遊びに行ってはバンジョーなんか教えてもらいながら、仲良く母・子で会話が出来るようになって、それをジョンはとても楽しみで、心の支えになっていたのに、ジョンに課されたカルマって無情だと凄く思うね。世の中で一番大事な人がなんの前触れもなく、この世を去る。考えただけでもジョンが受けた心の傷は深かったんだと察せられるね。
だから、ジョンは本当の愛情を受けることなく、甘える人もいない中で育ったっていうのが、最初の妻になった『ジョン・レノンに恋をして/シンシア・レノン著(河出書房新社/2,800円』を読めば判りますね。だからジョンは攻撃的・毒舌的・威嚇的な部分が表面化しているけれど、とても寂しがりなんだと思うね。ちょっと二重人格的でもあるかも。
シンシアも新婚当時、ジョンとミミおばさんと暮らすのだけれど、もう、ミミおばさんて、「いじわるばあさん」そのもので、ケチで文句ばっかり言う人。ミミおばさんは世間一般ではジョンを愛情を持って育てたことになっているけれど、ほんとうのそばでいる人でないとわからないのだろうな。この本、シンシアが沈黙を破って、2005年に脱稿、2007/03出版されたのだけれど、ビートルズファンじゃ無くても楽しめると思う。より深くビートルズを知りたい、ジョンの心の葛藤を知りたい人は読むべし、だね。いい本ですよ。ジョンとシンシアの学生時代緒出会いもすごくいい。手に取るように情景が浮かぶよ。
もっと書きたいこと、いっぱいあるけれど、今日はここまでね。
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ビートルズをモチーフにしたアニメーション映画『イエロー・サブマリン』。そこで使われたビートルズの楽曲15曲を、新たにデジタルリマスター&リミックスして、1枚にまとめたのがこのアルバムである。
(下段写真)
すべての曲が65年秋から68年初頭の間に録音されている。映画と同様、この時期のビートルズが凝っていたサイケデリックサウンドを聴かせる曲が大半を占める。このアルバムの発売当時、ファンのあいだで賛否両論が飛びかったリミックスサウンドを、オリジナルと聴き比べるのも楽しい。 |