♪THE BEATLES / HELP!はMTVの先駆け 2008
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木曜日
 ザ・ビートルズが好きになって、かなり長い。30年以上かな。飽きずに未だに新譜や本が出ると買ってしまう。中毒だろう。いや、今はそうじゃないな。コレクター・アイテムとしてすべてのアイテムやグッズや書籍などをパーフェクトに収集するなんて絶対出来ないし、マニアと言われるにはほど遠い資金力の乏しさも一要因であったしね。昔はブートレッグ(海賊版)まで手を染めていたけど、底なし沼、蟻地獄なので、これはやめて収集していたレコードなんかは、Yahooオークションで売りさばいてしまった。
 20年位昔のことだけど、アナログレコード盤で「モービル・フィデリティ(MOBILE FIDELITY SOUND LAB)」というのがReleaseされた。名盤を通常のアナログレコードより、高音質にするために、マザーからハーフスピードカッティングとレコード盤となる材料をバージンで作ってあったりね。ザ・ビートルズ以外にもメジャーなアルバムが出てる。確かに音の輪郭や楽器のセパレート(分離度)やベースの聞こえ方が違ってましたね。これは結構高値で落札されましたね。でも、そうやって、高音質版で聞こえ方がどう違うか、とか、ブートレッグでアレンジが違うか、とか、なんて発見しては悦にしたる楽しみ方も嫌いじゃないけどね、もっと気楽に音楽を楽しむことにした訳で、脳みそ君が喜ぶ、ウキウキ・ワクワクする大好きな曲をウンチク抜きで聴くのが一番ベターだな、って思うようになってきたのが正直なところかな。

 さて、1965年にTHE BEATLESの2作目映画となる「HELP!」が劇場公開されたのですよ、当時僕は3歳だった訳で、そんなこと知る由もなしの時代だったのだけどね。ええー、ビートルズの1作目の映画は♪A HARD DAY'S NIGHT(邦題:ビートルズがやってくる、ヤー!ヤー!ヤー!)♪でモノクロで渋かったのですけど、12万£の制作費でかなりの売り上げとなったものだから、「じゃー、ぱーっと予算拡大して2作目を作っちゃえ!」ってことで40万£で、カラー撮影されたのですね。当時は{総天然色}という言い方だったそうで、そういえば、僕の家の白黒テレビでウルトラマンを見るときは「カラー」ってスーパーインポーズが入ってたしね、新聞のテレビ番組もカラーと識別されていたし、カラーがまだ珍しいという時代だったのでしょうね。ちょっと話が脇道に・・・戻して・・

 昨年、11月に2作目の映画、HELP!のDVDでリイシュー(通常版)と、Delux Edition(豪華版)の2種類が発売されたのですね。知ってはいたけどvideoも持っているし、どうしようかと暫く迷った挙げ句、ヤフオクで安めに通常版をゲットして、今日は部屋を暗くして観ました。もう何度も観ているので再発見といのは特別にはないのだけど、絵が凄くきれいだし、カラーってことを意識した色遣いやフィルターや、陰と光のの当て方・使い方や、カメラアングルが工夫されていて、これらをパクッたものも多いなあ、なんて感じながらも楽しめたのですね。それと、オマケとして付いているDisc TWOのTHE RESTORATION OF HELP!(ヘルプ!の修復作業)のメイキング・ドキュメンタリーがおもしろかったのですね。「どんなのか?」、ってのは買ってご覧頂きたいのだけど、40年以上昔のオリジナルネガフィルムから、どうやってきれいな画質にしていくか、ってことで、オーソドックスな技術と最新の技術といろいろ織り交ぜ紹介されているのだけど、プロデューサーやエンジニアのインタビューを聞いているとね、凄く情熱と愛情を持って修復作業に当たっているのがヒシヒシ判る。ここいらの修復に注ぐハートの熱さ、後生まで若者にすばらしい映画をきれいな絵で見せてやりたい、ってスタッフの情熱が凄く伝わってきたのがうれしかったし、こんな愛情を持って作品をリフレッシュしてくれたのはファンとしてはうれしい限りですよね。買って良かった・・・

 それとね、この映画は後になってMTVの先駆け的な扱いをされましたね。MTV時代に突入する'70年後半にはビデオクリップ的な手法はきちんと確立されていなくて、普通はバンドが楽器を持って、♪チャンチャカチャン♪と演奏するスタイルが主流で、help'に収録されている、♪The Beatles Ticket To Ride ♪(邦題:涙の乗車券)♪を今観るとね、やっぱりMTVの先駆者だったと納得できますね。 '68にビートルズ自身によって作られた♪MAGICAL MYSTERY TOUR♪は酷評されまくった作品だけど、後になって再評価された感じがしますけどね、♪The Beatles - Flying ♪なんかB/Wで放映されたら、なんじゃこりゃ、だけどカラーで観ると、良くできたサイケデリックで、LSDの香りがムンムンするけど、いい感じですね。
 THE BEATLESは他のバンドより10年以上先を驀進してたってことがわかるし、グレイトなバンドであるな、これだけ、後生に影響を残したバンドはいないよね。でも、諄いけどウンチクはどうでも良くって、聴いて<心地よい>、がすべてだね、僕の場合は。バラードでリラクゼーションしたり、ヘヴィーメタルな♪へルター・スケルター♪や♪ヘイ・ブルドック♪の超かっこいいリフで、血がカッと熱く煮えたぎる時の瞬間湯沸器的なエネルギーを生み出してくれるから、ファンをやめられないのでしょうね、きっと。
■ザ・ビートルズ ヘルプ!〈スタンダード・エディション〉
出演: ザ・ビートルズ, エレノア・ブロン, ヴィクター・スピネッティ
監督: リチャード・レスター
形式: Dolby
字幕: 日本語
リージョンコード: リージョン2
ディスク枚数: 2
販売元: EMIミュージック・ジャパン
DVD発売日: 2007/11/07

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