省吾のプログ
2008年1月18日(金)

スティーブン・キングという作家の名前は聞いたことがある方は多いだろう。僕は大のスティーブン・キングファンである。昨年の暮れ、いつものように本屋さんの新刊コーナーを徘徊していると平積みに彼の「セル(上・下)」<新潮文庫>を見つけた。このときの嬉しさってない。「ええっ、知らなかったなあ、何で言ってくれないの。」って悲観的なフリをするが実はとても身も心もボルテージと脈拍が一気に跳ね上がり、この時のワクワク感・高揚感といったら例えようがないほとうれしいものである。

 彼のファンとなったのは「暗黒の塔(ダーク・タワー)」ガンスリンガーから。S.キングファンとしては遅咲きで1997-8年頃だったと思う。このダーク・タワーは文庫本で16冊となる超大作巨編で、2007年初頭に最終刊のZがリリースされた。アメリカでは第一巻のガンスリンガーが1982年に脱稿・出版されてから、シリーズZのダークタワーの脱稿が2004年だから、足かけ22年ってことになる。そりゃファンをヤキモキさせちゃうわけですよ。それで、次の刊を読みたくてストレスが溜まったヘヴィー・ファンから、「早く次を書け!!」的な脅迫紛いの手紙が世界中から彼の元に届く有様だった。あるファンは、テディベアの熊ちゃんの縫いぐるみにナイフを突きつけた写真を送りつけてはね、「早く次を出さないと、この子の命はないぞ!」ってのもあったらしい。

 S・キングは"Dark Tower"だけは絶対映画化させない、って記事も読んだような気がする。彼の映画はあまり僕は好きじゃない。どうも本から醸し出される自分の脳内でイマジネーションできる世界とフィルム化されたものとのギャップに失望してしまう事が多いからだ。でも絶対観てしまうんだ、これが。ホラー作家のジャンルの括りとなる彼は、実はダーク・タワー、暗黒の塔W 魔道師の虹ではラブ・ストーリーも書けることを証明してみせた。また、彼の自動車事故の経験とスティーブン・キングの実名で自ら本の中に登場してしまう展開は一般的には失敗を招くはずなのだが、彼流の絶妙なストーリー展開で、「うーーん。」とファンを唸らせてしまう。

 僕は黒表紙のハードカバーにオレンジ色でSTEPHEN KINGのがちっとした感じが頬ずりするほど好きだ。でもね、ダークタワー後半で「暗黒の塔」から「ダーク・タワー」とタイトルを変えたと同時に文庫本しか出版されなくなった。何故なの?片手で持って読んでると手が疲れてしまうくらいのあの厚みとハードカバーならでの{ガチッツ}とした作りが好きなのになあ。

 新刊、「セル」の上巻を読み終えた。携帯電話から・・・・っとなって、・・・的な事件が・・・・っと起こってそれを巡って登場人物が・・・・ってなっていくストーリーなんですけどね。今の携帯電話文明に警告を発するメッセージもあるように思うな。電車に乗っても喫茶店に入っても、ほぼ漏れなく携帯電話と戯れている人が実に多いことか。別に否定も肯定もしないけど、なんか平均的で、「何故、あのように熱心に携帯に集中できるのだろうか?」と思うけどね。でも、その人たちは携帯がなくなったら、この世からね、どうするんだろう、なんて思ってしまうね。

僕のサイトにCOMPLETE? STEPHEN KINGって書籍一覧もあるのですよ。
さあ、明日は休みだし、セルの下巻を読むぞ、って考えるだけでワクワクしちゃう安上がりな人生ですねえ。