フィリップ・K・ディックがおもしろい。               2007年12月22日(土)

 フィリップ・K・ディックがおもしろい。レンタルで借りた「スキャナー・ダークリー」を観て、この原作者の作品が読みたくなった。

 この2,3ヶ月で5冊(下段の■印)しか読んでませんが、これは全作品制覇せざるを得ないだろう、と思うのである。

 外国人作家では大のお気に入り、スティーブン・キングやクライヴ・バーガーに次いで僕のFavariteは間違いない。一般のSF作家とは大いに違うSF作品で、小説的な作風とSFっぽくない現実感があり描写が巧みで飽きさせない。5作品読んだ位で判ったような顔をするんじゃないよ、って彼贔屓の諸氏はおっしゃるだろうね。正にそのとおり。



皆さんはどうでしょうかね?
 (1)原作を読んで、映画化された映画を観る。
 (2)映画を観て、原作を読む。
 (3)原作を読んでも、映画化されたものは観ない。
 (4)映画を観ても、原作は読まない。


 普通、映画館やレンタルで映画を観ても恐らく(4)だろう。僕もご多分に漏れず、だいだいはこれだ。

 しかし、(1)のように原作を読んでいて映画化されると観たくなるのは人情ってのもである。原作と映画のギャップが耐えられない位かけ離れていたり、おいおい、どこで脚本家はそんなに話を捻じ曲げてしまうの、って手合いも多いと思いますよね。特にスティーブン・キングの映画はB級作品的になって愕然とするものが多い・・・ 

 だから(3)に陥りやすいし、原作の感動を映画で崩されたり腹を立てたくないのも事実ですよね。映画での2時間程度の時間制約から多少端折るのは致し方ないのだけどね。

 ですからね、(1)ではがっかりする確率が約80%、しかしながら、(2)の場合は、逆に原作の方が感激することの方が多い。

 (2)の逆説的ですが、つまりですね、『映画がすばらしいと原作は大概、70%位の確率でもっと良い』ということになる。映画と本とじゃ、感動の仕方が違うし、視覚や聴覚から入るビジュアル+サウンドと脳内で一度、映像化なりしたものは脳でも感じる部位が違って当然だって思うのですね。そう思いませんか?

 まあ、ぐちゃぐちゃ言わなくとも人それぞれの楽しみ方でいいのであって、暇つぶしに映画を観るのが理由の一つであってもなんら後ろめたくないですね。

 フィリップ・K・ディックの作品を全部、読破してみたいって凄く思う今日この頃でした。楽しみがまた一つ増えたかな。

※フィリップ・キンドレド・ディック(Philip Kindred Dick, 1928年12月16日 - 1982年3月2日)はアメリカのSF作家。

【作品】 ■印は2007/12現在、読んだもの

■時は乱れて Time out of Joint (Biography in Time) (1959年)
■高い城の男 The Man in the High Castle (1962年)
 タイタンのゲーム・プレーヤー The Game-Players of Titan (1963年)
 アルファ系衛星の氏族たち Clans of the Alphane Moon (1964年)
■火星のタイム・スリップ Martian Time-Slip (1964年)
 最後から二番目の真実 The Penultimate Truth (1964年)
 シミュラクラ The Simulacra (1964年)
 ドクター・ブラッドマネー(ブラッドマネー博士) Dr. Bloodmoney (1965年)
 パーマー・エルドリッチの三つの聖痕 The Three Stigmata of Palmer Eldritch (1965年)
 去年を待ちながら Now Wait for Last Year (1966年)
 ライズ民間警察機構(テレポートされざる者) The Unteleported Man (1966年)
 逆まわりの世界 Counter-Clock World (1967年)
 ザップ・ガン The Zap Gun (1967年)
■アンドロイドは電気羊の夢を見るか? Do Androids Dream of Electric Sheep? (1968年)
 銀河の壺直し Galactic Pot-Healer (1969年)
 ユービック Ubik (1969年)
 死の迷路(死の迷宮) A Maze of Death (1970年)
 フロリクス8から来た友人 Our Friend from Frolix 8 (1970年)
 あなたをつくります(あなたを合成します) We Can Build You (1972年)
 流れよ我が涙、と警官は言った Flow my Tears, the Policeman Said (1974年)
 怒りの神 Deus Irae (1976年)(ロジャー・ゼラズニイとの共作)
■スキャナー・ダークリー (暗闇のスキャナー) A Scanner Darkly (1977年)
 ヴァリス VALIS (1981年)
 聖なる侵入 The Devine Invasion (1981年)
 アルベマス Radio Free Albemuth (1985年)
 ニックとグリマング Nick and the Glimmung (1988年)※児童向け


 
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