PERT (Program Evaluation and Review Technique)
三点見積り法(three-point estimate)

 2008/04/07現在

期待値= 楽観値+(最頻値 × 4) + 悲観値
             6
標準偏差=  悲観値 − 楽観値 
      6
【信頼範囲】

68%の確率で、期待値±標準偏差

95%の確率で、期待値±(標準偏差 × 


実際の現場では、通常値、悲観的な処理時間の見積り値(悲観値)、楽観的な処理時間の見積り値(楽観値)を用いて仕事の処理時間を見積もる方法である三点見積り法が使用される。
※三点見積り値は小数点以下四捨五入して求めること。

(参考)
PERT (Program Evaluation and Review Technique)
パート / パート図 / PERT法 / PERT理論 / 遂行評価レビュー技法

工程計画・管理手法の1つで、仕事(プロジェクト)全体を構成する各作業の相互依存関係をネットワーク図にすることで、各作業の日程計画を作成するとともに仕事全体の所要時間を算出し、さらにクリティカルパスを明らかにして所要時間の短縮を図る手法のこと。

大まかな手順は以下のとおり。

各工程の作業(タスク)を明確にする(WBS作成)

各工程が完了するのに必要な所要時間を見積もる
工程の実行順序・工程同士の前後関係を明確にする
各工程をつなぎ合わせ、ネットワーク図を作成する(各工程の開始日、終了日が決まる)

  1. 仕事全体の所要時間を算出して、完了時期を明らかにする

  2. クリティカルパスを対象として、所要時間短縮を検討する

PERTは、米国海軍の艦隊弾道ミサイル計画(ポラリスミサイル・システムの開発計画)の中で開発された。米ソ冷戦下、ミサイルギャップの解消を急ぐ米国海軍は、1957年末に特別プロジェクトオフィス(SPO)にロッキード、ブーズ・アレン・アンド・ハミルトンからのメンバーなども含めてORチームを結成、同計画に参加する3000人以上の要員の仕事を調整するために、スケジューリング・アルゴリズムの研究に着手した。

 チームの数学者らはグラフ理論を応用し、作業工程を各作業の開始日/終了日(結合点)とそれを矢線で結んだ図で表現した。ここから作業工程ごとの日数データを行列計算してクリティカルパスを導き出し、仕事全体の所要時間を計算するアルゴリズムを見出した。

この手法に基づく工程管理の結果、計画は2年近くも短縮されたと評価され、その価値が認められた。

PERTとほぼ同時期に独立してCPMが開発されたが、ともにネットワーク図を用いてスケジューリングを行うことから、併せて「PERT/CPM」と呼ばれることもある。CPMとの違いは、CPMがコスト最適化の手法であるのに対して、PERTは不確定要素の多いプロジェクトにおいて確率的に時間見積もりを算出し、その時間を短縮を図る手法である点である。オリジナルのPERTは三点見積もりを用いて全体スケジュールの所要時間を確率的に扱う手法で、PMBOK第2版でもPERTは「三点見積もりを行う手法」と定義されている(ただし第3版からはPERTという用語自体が削除された)。しかし、ネットワーク手法としてあまりに有名であるため、単にネットワーク図のことを「PERT図」「パート図」ということも多い。

1962年には米国防総省とNASA(米国航空宇宙局)がPERTに原価管理の要素を加えた「PERT/Cost」(のちにEVMSへ発展する)を発表、さらに信頼性の要素を追加した「PERT/Reliability」、人材管理に応用した「PERT/Manpower」などが登場した。(もともとのPERTは、これらと区別するために「PERT/time」と呼ばれることもある)

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