1961 RILEY ELF Mk-I 2012
12/16
日曜日

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ミニ・クーパーは、暫くシリーズ化になりそうなので、今回は、ミニのバリエーション第4弾をクーパーに先立って、紹介したい。
バリエーションとして発売された
 ①ミニ・バン
 ②カントリーマン
 ③トラベラー
 ④ミニ・ピックアップ
は順追って紹介してきたが、さらに1961年10月に発売された第4弾が、社内で物議を醸したサルーン仕様だった。ラインナップの拡大が功を奏したこともあってようやくヒットし始めたミニに、BMCの首脳人は高級バージョンの追加を検討した。このアイデアには、眠っているブランドを復活させる計画まで加わった。
ライレー(今回紹介)とウーズレー。いずれも19世紀末に創立したメーカーで、1932年にモーリスを中心にしたナッフィールド・グループに吸収されていた。その後ブランド名だけが生き残ったが、ミニのバリエーションで老舗を復活させようと考えたのだった。

その具体的な方法は、サルーンボディをベースにして、張り出したトランクルームを持つセダンタイプに仕立てるというもの。風格を出すためにフロントグリルは盾型に変え、室内は本革と木目の装飾をふんだんに採り入れた。これで往年のライレーやウーズレーの雰囲気を醸し出せるかは疑問だが、それが首脳陣の考える高級車の形だった。

このプランにイシゴニスは猛反対する。彼は、見かけ倒しの高級仕様を施すことで重量が増し、本来の運動性能が損なわれると主張した。実際に完成したライレー・エルフで13.5%、ウーズレーで10%もベーシックモデルのミニより重くなった。850ccのエンジンでは明らかに非力で、イシゴニスが懸念したバランスの悪さが明白になったのだった。


(出典):ミニ・フリークの日々(田村一七男著)  :MINI THE COMPLETE ILLUSTRATIONS(尾崎豪著)


(2012/12/16 14:18)




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