予想もしなかったところで火がついたミニ 2012
10/4
木曜日

前回のミニのデビューの続き。
さあ、二進も三進も売れないミニ。
「四の五の言わずに、さっさと買いやがれってんだ」と息巻いてはみたものの、そんなに簡単には売れるものではない。
はて、どうしたものか?
今回は、このような状況に風穴を開けた、突破口となった真実のお話。


ミニの小ささを理由に、妻や娘にミニを買い与えた中流クラス以上の紳士達が、ミニのユニークさに気付き始めた。自ら運転することを好んだ彼らは、ロールスロイスやジャガーをしまい込み、路地の入り組んだロンドンをミニで駆け回ったのだった。

ある自動車雑誌は、そうした様子に対して、<ミニを持っていれば、ロールスロイスは最高のセカンドカーになる>と書いた。名品を知り尽くした彼らだからこそ、ミニのすばらしさが理解出来たのだろう。

酔狂といえばそれまでだが、金持ちの間で”ミニに乗る”ことは一種のブームだった。貴族階級、会社の役員、そして有名な俳優や歌手までがミニに載り、それは結果的に強力な宣伝効果をもたらした。

思いがけずにミニはトップダウンで大衆に降りていったのだった。

その有名な歌手として、ポール・マッカートニーや、ジョージ・ハリスンが乗ったミニについて次回、ご紹介しようと思う。


(2012/10/04 20:21)

(出典):ミニ・フリークの日々(田村一七男著)  :MINI THE COMPLETE ILLUSTRATIONS(尾崎豪著)

この背景のイラストレーションは、1961 AUSTIN MINI COOPER1000 Mk-I
日本では、ミニ=(等しく)ミニ・クーパー、と思われている、混同されている節もあるが、何故、ミニにクーパーという冠を被ったのか、なぜ、大衆車としてクーパーモデルの登場が必要であったのか?
どのような裏事情があったのか?

これは、どこか、省吾のMINI freak
の中で経緯を追っていく予定。






(これからも非定期に続く)



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