Technics RS-1500U 2011
9/1
木曜日

■木枠なしのRS-1500U修理

※ オープンリールデッキ保全第三課



整備依頼は音声基盤調整で、良く録音に使用するテープ品種は XLI です。
早速デッキを精査したところ、テンションローラーベアリング不良がありました。
それでは自己録再を行ってみましょう。



グラフを見る限り凸凹はありますが、ワイドレンジであまり問題は無いように思えます。
しかしパット聞いた感じでは、ソースによっては高音域の歪感が感じられます。
これは録音バイアスが浅いためで、グラフの高音域の出方が少し変なのはこのせいでしょうか。

それでは私が調整してみましょう。



XLI でに合わせて正しく調整したところ高域下降は避けられませんが、
ソースを録音同時モニターしたところ安定した落ち着いた音質になりました。
これでもカタログスペックをクリアできています。

また録音時に録音レベルの低下を指摘されていましたが、
調整前のグラフではそれが表れておりませんね。
その原因は録音レベルではなく、再生レベル用のVUメーター感度が低かったため
メーター指示値が低くなっていただけの事です。

RS-1500U・1506U には入力レベルと再生レベルのVUメーター感度調整できるように
それぞれ独立した可変抵抗を持っています。
今回の録音・再生基準レベルは、0VU=250nWb/m=-5dB ( OUTPUT LEVEL 8位置固定時 )です。

それでは今回の整備内容は下記のとおりです。

○音声基盤調整一式
 (録音・再生・入力レベル調整、録音・再生イコライザー・録音バイアス調整、VUメーター感度調整 )
○ 録・再ヘッドアライメント調整
○ テンションローラーベアリング2個交換

以上整備代金の総額は ¥6.000 ( ベアリング代含む ) になりました。
どうもありがとうございます。

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EQ:2 BIAS:3
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【オープンテープデッキ】
Technics RS1500U

・2TR 38cm/s
・OPTION 4TR2CH(REC.PLAY) 2CH/2TR2CH(PLAY)
 Head Block(RP-2422)

形式 アイソレートループD.D方式ステレオテープデッキ
トランスポート アイソレートループ方式
トラック形式 2トラック2チャンネル(録音・再生)
4トラック2チャンネル(再生)
ヘッド 録音:高硬度パーマロイ
再生:高硬度パーマロイ×2
消去:ダブルギャップフェライト
駆動部 キャプスタン用:クォーツロック電子整流子方式・ダイレクトドライブ駆動方式
リール用:電子整流子方式・ダイレクトドライブ駆動方式×2
録音バイアス方式 交流バイアス方式
消去方式 交流消去方式
テープ速度 38cm/sec,19cm/sec,9.5cm/sec
周波数特性 38cm/sec:30~30,000Hz±3dB
19cm/sec:30~25,000Hz±3dB
総合S/N 60dB(JIS)
ワウ・フラッタ 38cm/sec:0.018%WRMS
19cm/sec:0.04%WRMS
歪率 0.8%
チャンネルセパレーション 50dB
テープ速度偏差 ±0.10%以下
テープ速度変動幅 0.05%以下
使用リール径 最大26形(10号)
早巻き時間 26形(10号)100%テープにて約2分30秒
消費電力 55W
タイムカウンタ精度 ±1%以下(38cm/sec再生)
入力 MIC:最大入力感度 0.25mV(-72dB)
    適合MICインピーダンス 400Ω~20kΩ
LINE IN:最大入力感度 60mV(-24dB)
出力 LINE OUT:基準出力レベル 420mV(-7.5dB)
         負荷インピーダンス 22kΩ以上
HEAD PHONES:8Ω 60mV(基準出力レベル時)
THROUGH OUT:LINE INと同じ
電源 AC100V 50/60Hz,DC24V
使用半導体 トランジスタ248石,FET6石,IC 10石,ダイオード75石,
発光ダイオード1石
重量 23kg
外形寸法 456W×443H×257Dmm



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