バックロードホーン with Fostex FE126En 2019
10/21
月曜日

高校生の頃、(故)長岡鉄男氏のスピーカ自作をステレオ雑誌に載っているのを頻繁に眺めていた。無性に作りたくなり、本棚から取り出し眺めた。当初は、長岡氏の手作りスピーカの中から選ぼうとしていた(p166~/D-11)が、フォステクスのスピーカに添付していた取扱説明書のバックロードホーンに軍配あり、としてこちらを作ることにした。

仕上がりは納得いくもので、バックロードホーンははったりではなく、きちんとウーファーがないのに低音が出てくる。
(文面は、Facebookに投稿したもの)

取扱説明書(FE126En)

2019/10/17
★スピーカーを作ろう(1)

スピーカを作るのではなくて、スピーカの箱(エンクロージャ)を作ろうと決めた。

僕が高校生の頃、オーディオ誌を読み漁っていた頃から、自作スピーカと言えば、(故)長岡鉄男氏、スピーカメーカはフォステクス、さぶろく合板、形はバックロードホーンと相場が決まっていた。故長岡氏に敬意を表し、比較的コンパクトでフルレンジ一本の時代に取り残されたバックロードホーン型にすることにした。

「なんですか、バックロードホーン」って興味もないでしょうが、とても奥深い形式なのです。ワクワクです。シリーズは続く。
2019/10/8
★スピーカーを作ろう(2)

注文したスピーカーユニットが届いた。フォステクスの径12mmのバックロードホーンエンクロージャに適したユニットとなっている。このスピーカ、マグネットがでかいでしょう。強力な磁気回路による駆動力を活かして、BLH向きのオーバーダンピング(スピーカユニットの機械的・電気的制動力を効かせぎみにする)としている。Q0(きゅうぜろ)という定数「スピーカーの最低共振周波数f0における共振の度合いを表す指標」があって、このユニットは0.3と値が低く設計されていて、共鳴しにくい、低音だらり下がりを踏ん張って持ち上げるような感じでしょうか。

僕なりにバックロードホーンをイメージを手書きで書いてみた。解りますか、雰囲気は。(続く)
2019/10/9
★スピーカーを作ろう(3)

■完成時の音源は何を?

これは既に決めています。出来上がった時にサウンドチェックするための音楽です。ずばり、(故)藤圭子の♪新宿の女、♪女のブルースです。宇多田ヒカルさんのお母さんです。彼女のデビューは1969年(ABBEY ROAD/THE BEATLESの発売と同じ時代)、僕は小学二年生でしたがリアルタイムに聴き覚えています。彼女の低音の魅力はバックロードホーンのチェックには最高だろうと思われます。テイラー・スイフト、エイミー・マン(両者とも低音が効く)もヴォーカルとしては候補ですが、なんといっても和風の藤圭子には勝てません。絶対、無理です。そして、60年代後半から70年代中期までの歌謡曲はベースがしっかり練り込まれています。特に演歌はベースがヘヴィーです。ヘタな外国ポップスより国産の録音技術は突出して優れています。藤圭子死後にリリースされたデビューから1stと2ndアルバム、復刻CDも買って準備万端です。
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今日は小物類が届いたので、しれっとご紹介。
1)箱の中に部分的に敷く吸音材(フェルト・ミクロンウール)です。昔はグラスウールの黄色いチクチクするものもを使いましたが、これでいいでしょう。
2)スピーカターミナル:スピーカ端子からケーブル直出しが自作SPっぽいですが、見栄えも多少、気取ってこれを使います。
3)今は、バナナプラグという挿入するタイプで扱いやすいです。
2019/10/14
★スピーカーを作ろう(4)

河川の氾濫等、被害を被った方へお見舞い申し上げます。

突風の吹き荒れる中、真剣に悩んだ挙句、設計変更することにした。長岡鉄男氏の設計はどうも日曜大工的で、(入門者への配慮か)作りやすさを重視し、音場設計の精度はどうか、厳密にいえば当時の採用ユニットではなく後継機種でもあり、多少疑問視していたところ、フォステクスの取扱説明書に今回採用するFE126Enユニット用に設計されたバックロードフォーンのためのエンクロージャ設計図があるではないか。バックロードに流れる音も形を見るだけでスムーズにホーンしているように見える。『(取説抜粋)・・・バックキャビティにバスレフダクトを取り付けて低い周波数で共振を取り、さらなるワイドレンジ化を図ります。ホーン長172cm/fc=100Hz、ダクトのチューニングを55Hzに設定しています。』プロが設計しているのだから、こちらを採用することにした。故長岡様、すみません。
2019/10/18
★スピーカーを作ろう(5)

まだ、続くのですか・・・
バックロード(後ろ道)は斜めでミリ単位の加工なので、どうやれば正確に配置できるか、ということをぼーっと考えましたが、「これしかない」と結論に達したのは、小学校時代に頻繁に使った厚紙の方眼紙です。これを『型紙』にすればとても簡単ではないですか。目から鱗が落ちるようにすっきりした気分です。
2019/10/19
★スピーカーを作ろう(6)

材はいつも注文しているホルツマーケットで好きな材を選ぶと、切断・送料で4万を超える。これはちょっと・・。結局、JOYFUL HONDA(D.I.Y.)で、さぶろく合板、一枚2,600円、工賃550円、合わせて58,00円、コスパ優先とした。

型紙のおかげで、内側の区切り、外側のダボ穴が楽に決まる。そして最大の難関は、スピーカの穴開け。初めて「自由錐」を使ってみた。リハーサルでは材から跳ね返され失敗。危ないぞ、これ。YOUTUBEで学習してリトライ。ポイントは垂直に斬り込むこと。今度は上手くいった。次は組立へ。
 2019/10/21
★スピーカーを作ろう(7)

いよいよ組立。ハタガネ、クランプで圧着、木ねじで止め、ダボ(6mm)打ち込み手ノコでカット。サンドペーパで磨いてエンクロージャは組立終了。後は塗装とスピーカ、ターミナルを半田して完成か。
はじめて6mm径のダボを使う
★スピーカーを作ろう(最終)

水性のレッドブラウンをローラで二度塗り、滑り止め、気持ち共振抑えに底にゴムを貼り、ターミナル、スピーカを半田して、できあがり。総額:27,954円、暫しエイジングする。【インプレッション】:わずか10cmのフルレンジから、この音が。ウーファーないのに、下段のホーンから低音だけが聞こえる。工作の面白さを堪能して、サウンドは期待していなかったけれども、吃驚仰天、驚きの音。藤圭子の艶っぽいことこの上ない。



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